多罫線段ボール箱とは?―意外と知らないA式段ボールの裏技―

2023.12.16

豆知識

多罫線段ボール箱とは?―意外と知らないA式段ボールの裏技―

多罫線段ボール箱をご存知ですか?

 

正式名称ではありませんが、罫線を追加することにより高さを変えられるA式段ボール箱を「多罫線段ボール箱」と呼んでいます。

他に、「高さ可変式段ボール」「段違い罫線付き段ボール」などとも呼ばれているようです。
罫線とは、段ボールをきれいに折り曲げるために入れる折れ線のことです。

A式段ボール箱は通常フタ(フラップ)部分を折るため上下方向に2本罫線を入れます。

多罫線段ボール箱はA式段ボール箱の胴部分に追加で罫線を入れたものです。

多罫線段ボール 通常の段ボールに追加された罫線

 

 

ご使用されている方にはおなじみの形状ではありますが、意外と知らない方も多い多罫線段ボール箱の使用方法、メリット・デメリットを解説いたします。

多罫線段ボール箱の使用方法

多罫線段ボールの罫線を入れたところまで四隅にカッター等で切り込みを入れ折り曲げることにより、同じサイズの段ボール箱を複数の寸法に使い分けることができます。

追加罫線は1本だけの場合も2本以上入れることもあります。

但し機械の仕様によって入れられる罫線数には制限があります。

 

多罫線段ボール 組み立て済み 全体像

 

また、罫線の間隔も機械の仕様により制限があり、あまり狭い場合は入れられません。

段ボール自体に厚みがありますので、罫線間隔をあまり狭くすると折りにくく、罫線を複数いれてもサイズがあまり変わりませんので、罫線間隔は広めに設定することが多いようです。

切れ込みを入れたところから折る場合は通常よりフラップ(フタ)が長くなります。

フタが重なったり(オーバーフラップ)、場合によってははみ出した部分を折ったり・切ったりして梱包することとなります。

 

多罫線段ボール箱のメリット

高さを変えられる箱にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
挙げていきます。

 

商品の容積に合わせて折り畳むことができる。
・大きな箱でそのまま出すより送料が節約できる。
・内容品に近い寸法で梱包できるので輸送時のガタツキを抑えることができる
・緩衝材を使用していれば、その使用量を削減できる。

 

多罫線段ボール 同じダンボールの高さを変更できます!

 

複数の箱規格を統一できる。
・一種類の箱を複数サイズに使えるため段ボール箱の種類を減らすことができる。
・種類を減らすことにより、複数の在庫を置かずに済むので段ボールの在庫管理がやりやすくなる。
・在庫スペースを削減できる。
・種類を減らすことで1点あたりの発注ロットが増えるので、単価が下がる可能性がある。

 

このように、輸送する場合の体積を減らすことや、緩衝材を削減することで省資源になり、コスト面だけでなく、省資源の面からも環境に配慮した包装材と言えます。

多罫線段ボール箱のデメリット

多罫線段ボール箱はメリットもありますが、デメリット部分もあります。

 

作業性

・切れ込みを入れる作業が発生します。

大量に使う場合はかなりの作業の負担になります。

同サイズの箱を大量に使用するケースでは当然サイズに合ったものを調達する方が良いです。

 

多罫線段ボール 切り込みを入れて高さを変える作業

 

・折り曲げる部分(フラップ)が長くなります。

箱からはみ出した部分をカットしてゴミが増える場合があります。

 

・フタをする部分(フラップ)が重なるため、天面が平らになりません。

荷姿としては通常のA式ケースより汚い。

また積み重ねるとき崩れやすくなる。

 

 

性能面

・罫線を入れることで、罫線部より折れやすくなります。

同サイズで比べた場合、多罫線段ボール箱の耐圧強度は低くなりますので積み重ねて保管する場合は注意が必要です。

 

・カッターで切れ込みを入れる際に、粉状の紙(紙粉)が発生します。

内容品によっては紙粉汚れを嫌いますので注意が必要です。

 

コスト面

・複数の規格をまとめられるメリットもありますが、大きな箱に合わせるためトータルでみると購入金額が上がる場合もあります。

多罫線段ボール箱の使用に向いている業種

アパレル(衣料品)雑貨など商品が不定形な場合に採用されること多く、店舗配送や通販などで送り先ごとに内容量がまちまちな場合に適しています。

 

反対に工業製品のように内容品が定形であり、出荷ロットが決まっているような場合や使用する箱そのものが小さい場合などは多罫線段ボール箱に向いていません。

 

まとめ

現状通販の発送などで1~2サイズ程度の段ボール箱を使用している場合、多罫線段ボールを採用することで送料面などメリットを出せる可能性があります。

逆に大量の段ボール箱を使用されている場合などは、作業工数も増えるためそのサイズ専用の箱を調達された方が良いと思われます。

多罫線段ボール箱は、業種や用途、使用量によってはメリットが出せる梱包仕様です。

 

イクソブでは中に入れる製品や、配送料金からサイズ設定することで多罫線段ボール箱を用いたコストダウンの御提案も可能です。

コスト削減や環境配慮の取り組みの一環としてご検討されてはいかがでしょうか?

ご不明な点ございましたらどうぞお気軽にお問合せください。

 

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